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  • HDDの復旧

    なんか、最近立て続けにHDDの復旧依頼が来てたので、ちょっとまとめてみました。

    所詮は機械。いつかは壊れる。

    これは肝に銘じておいて欲しいのです。
    そして壊れた時に大騒ぎすることになりますし、そしてデータが復旧できなければ、それこそ「あとの祭り」。

    なぜに壊れる?

    まずは中の構造を以下のサイトを参考に見てください。

    そんなわけで、ハードディスクは機械(ディスク・ヘッドなどの記憶)の部分と電子部品(ディスク表面の基盤でデータの読み書きを制御している部分)が合わさって、1つの構造を成しています。
    よって、

    • モーターや駆動部があるため、経年劣化が生じて壊れます。
    • 精密機器なので、振動などで壊れることがあります。
    • 電子機器なので、静電気や急な電源断などで壊れることがあります。

    まぁ、車のエンジンや家電製品だって、壊れるでしょ?
    それと同じ。

    あと、破損しているデータが記録されていると、壊れる原因を作ることがあります。

    意外と知られていないのが、壊れる原因

    1. 破損データなどの影響での故障

    PCにはデータの一部が破損していても、ある程度であれば、再度読み取ろうとしたり、データそのものを補って、正しく読み取ることができる技術があります。

    そのためデータが破損していても、それを補正しようとするため、何度もデータを再読込を試みたりします。
    結果、データが記録されている同じ場所を何度も走査するので、その動作よって同じ場所が劣化することもあります。
    また物理的に破損しているような場所だと、その再読込の動作よって傷口を広げることだってあります。

    (余談ですが、ウイルスソフトには、この技を使ってハードディスクを物理的に壊すものが、確かあったような気がします。)

    2. 音楽データや画像データ

    動画や音楽を再生するという事は、その間はずっと記憶媒体にアクセスしていると考えてほぼ間違いありません。

    破損データを再読込するのよりは頻度は落ちるかもしれませんが、お気に入りの曲を何度もリピート再生していれば、それだけ同じ記憶箇所を何度も読むことにはなるので、破損する可能性は高くなります。

    壊れないようにするためには

    …そんなものはありません。
    所詮「機械」であり、いつかは壊れます。
    もともとの品質的・構造的な点から早く壊れることもあります。機械としていつ壊れるかというのは、もはや「運」でしかありません。

    でも機械は「大切に使えば」長く使うことはできます。

    そのために心がけるべきこと。

    …とはいえ、「壊れないようにするためになるべく使わないようにしよう」というのは本末転倒です。
    便利に使いたいのであれば「壊れても慌てないような対策を講じる」という事になります。

    (注)
    これはあくまで、個人的な経験や勘からの見解なので、以下を実践したからと言って、壊れても保証はできません。(まぁ、こんな事書くのはあれですが。。。)
    あと以下の手順、法外ではありませんが、お金や手間は度外視しています。

    リスクは分散しましょう。これ大前提。

    仕事用のPCに動画や音楽を入れるべからず。

    動画や音楽を日常的に再生しながら仕事される方は、マシンを別にするか、動画や音楽用のHDDを増設して、そちらに入れるようにしましょう。
    通常のアプリケーションや、日々の仕事データを読み書きする際と、マルチメディアコンテンツの再生時、ハードディスクの動作はかなり異なります。
    お互いのデータの記憶場所によっては、ハードディスクの動きがかなり激しいものとなり、それが原因で壊れることだってあります。

    仕事用のデータは常にバックアップ

    死活問題となるようなデータは必ずバックアップを。
    ちなみに最近は RAID など便利な技術もありますが、ドライブじゃなくて、機材本体が逝かれた時には、どうしようもありません。
    物理的にバックアップディスクを別にして、それに録ったほうが安全です。

    【参考】我が家の場合

    • マルチメディアコンテンツはDVDなどのメディアに焼いて保存
    • 仕事データはNASサーバにバックアップ専用ドライブの2台構成

    という形をとっています。

    壊れた時に備えて

    最近のプレインストール PC は、工場出荷状態のイメージが HDD 内にあらかじめ記録されています。
    ところが、その HDD が壊れたら、その「イメージ自体もろとも」になってしまい、どうしようもありません。
    製品にもよりますが、リカバリ CD を作成する手順が示されている場合があります。

    必ず説明書を確認し、もしもリカバリCDを作成する手順が示されている場合は、面倒でもリカバリCDを作成するようにしてください。

    また、

    Officeやメールをはじめとする、使用しているプログラムの環境設定

    などは、ソフトウェアのメニューや関連ツールとして環境設定をファイルに保存することができるものがあるので、それらを保存します。

    メールデータ

    などは、My Dcocument フォルダの配下に My Mail というフォルダを作成、そこにメールファイルを保存するようにしています。

    そして、内臓 HDD を増設し、My Documents は増設したドライブに保存するように変更すると、万一 OS やアプリケーションのドライブが逝ってしまっても、自分のデータは残るようになりますし、必要なら自分のデータを保管しているドライブだけバックアップを録れば良いことになります。

    【余談】OSも含めてフルバックアップ

    これをやるのもひとつの「手」ではあるのですが、意外とハードルが高いのと、そして煩雑だったりします。
    そして何よりも、本当にちゃんとバックアップとリストアができるのか、いまいち信用できないんです、これが。その理由が一番大きい。

    最近は専用のソフトもあるようなので、それで「おまかせ」も可能だとは思いますし、信用あるものもあるのかもしれませんが、私はあえて使ってません。

    というのも、

    ディスク破損交換=クリーンインストールの時期

    だと割り切っているから。

    このタイミングでクリーンインストールをすることによって、長年蓄積された余計なファイルやレジストリが整理され、最終的に快適な環境となることが多いのです。
    それに、使用していないソフトをインストールしないという、よい機会にもなりますし。

    確かにクリーンインストールは時間も手間も割かなくてはなりませんが、「どうせハードディスクが壊れて、その対応に時間が割かれるなら」と考えています。
    それに引き続きそのマシンを使うのであれば、より快適な環境を見直すのにもよい機会だと思いますし。

    壊れる予兆があったら

    最近のマシンは普通に速いので、明らかにディスクアクセスで遅くなったと感じたとき、特定のファイルやプログラムのアクセスが遅いときは要注意。
    早々にデータのバックアップを行ったうえで、ディスクのメンテナンスや交換を検討したほうが良いかと思います。

    【余談】復旧

    ちなみに、私の使用しているソフトはこんな感じ。

    これらのソフトでの復旧が駄目なら、そこまでで。
    精々、ディスクかヘッダに問題があることを原因究明するのが精一杯。
    上記ソフトで復旧できなければ、もうお手上げですな。

    ちなみにHDDを業者に復旧してもらう場合は、信頼ある業者に依頼するようにしましょう。
    市販の復旧ソフトで復旧させる業者とかもあれば、技術力不足な業者も多々あります。
    基本は、ハードウェアのメーカーが推奨する業者、なければ、有名なファイル復活ソフトが紹介している業者あたりにお願いするのが良いかと思います。
    でもその場合、金額にかなりの覚悟が必要。一般的にはウン十万円以上の世界です。