Spigot 1.17.1 ⇒ 1.18 アプデしてみた

Minecraft Java版も 1.18 になり、Spigot も 1.18 が公開されたので、うちの貧弱環境で動作するのかも含めて、早速アップデートしてみた。

ちなみにシングルで遊ぶのであれば、自分のPC上で「シングルプレイ」で普通に遊ぶのが、あくまで一般的なはず。
最近のゲーミングPCであれば、スペックとかも問題ないはず。

この記事は、Spigot サーバをわざわざ建てて、マルチ環境でシングルプレイするという奇特な人(私)を前提とした内容。
なので、その辺の無粋なツッコミは、なしの方向で。

もうメモリ1Gではムリです。

今まで「さくらのVPS 1Gプラン」で稼働させてましたが、1.18 へのビルド・アップグレードについては、なんとか可能。
しかしながらゲーム中の動作中、以下のような事象が発生していた。

  • 移動やブロック破壊中などの動作が、固まる。そして数秒前の状態に戻る。
  • チェストやインベントリを開くことができない。
  • 新規エリア(チャンク)移動の際、トロッコやボートなどの速い速度で移動すると固まったり、ゲームが強制切断される。
  • 普通に移動したり、ブロックを破壊していてもゲームが強制切断されることがある。
  • 強制切断後、再接続できない。

このような状態になっていると、往々にして Spigot サーバーのコンソールに、以下の過負荷警告が繰り返し表示されることがある。

> Can't keep up! Is the server overloaded? Running XXXXXms or YYY ticks behind

【意訳】
もうついていけねぇ! サーバーが過負荷じゃね? XXXXX ミリ秒または YYY ティック遅れてる。
(ティック:ゲームの処理単位、マイクラだと1/20秒単位)

つまり現実時間軸に対して、ゲーム内の処理量が多すぎて時間が追いつけていないという状態。
これが積み重なるとゲームは処理落ちを跳ばして無理矢理、時簡短縮をしたり(プレイヤーは見かけ上、コマ落ちやキャラがワープしたように、移動や操作前の状態に巻き戻されたように見える)、ゲームが強制終了してしまう。

ちなみにこの事象、1.18 ほどではないにしろ 1.17.1 でも発生していた。
それでも 1.17.1 の場合、個人的にはシングルプレイで利用するかぎり、まだ耐えられる程度だったが、1.18 では頻発するため、さすがにストレスがキビしい。

いずれにせよ、この現象はメモリ不足や処理の過負荷が原因。
1.18 にはアップグレード(ビルド・インストール)できるものの、プレイは現実的ではない
という結論。

対策、カネで解決するしかない。

そのため、急遽 VPS のプランを 1G ⇒ 2G に変更。
その結果、頻発していた負荷警告は(発生はするものの、1.17.1 の時よりも少ない状態に)収まった。

この状況から、今後のマイクラ JAVA 版は、普通にゲームするだけでも、少なくとも2G以上のプランが必須となってきそう。

ちなみに Spigot の動作スペックを少し調べてみたが、どうやら最近は 2GB 以上のメモリを最小としている模様。
もしかしたらメモリ 1G での挙動させる猛者はいるのかも知れないが、普通に Spigot をセットアップしてあくまで標準的に利用する場合、メモリ 1G での動作は無理だと思う。

あと以前の記事にも記載した通り、自分が利用しているサーバは契約自体が年間契約のものを流用した関係と、AWSなどを再契約した場合、またイチからサーバを構築しなくてはならない。
そのため今回は緊急避難的にスケールアップで対応し、契約満了までは利用することにした。

しかしながら 1G⇒2G へのプラン変更は、概ねどこの VPS サービスもそうなのだが、利用料金がほぼ倍になってしまう。正直なところ、お値打ち感はない。

なので個人的には契約満了後、AWS(EC2)に切り替え、かつ弾力的にインスタンスの開始/終了ができるようなシステムを構築する方向で、費用圧縮を考えている。

1.17.1 ⇒ 1.18

そして本題です。

まずビルド・実行にあたり、Minecraft 1.18 は java 17 のバージョンが必須となる。
そのため、まずは java のバージョンを 16 ⇒ 17にアップグレードする必要がある。

でも、何はともあれ、まずはバックアップから。

# sudo su
# cd /opt
# cp -a spigot spigot.1.17.1
# exit

自分の場合、spigotを導入している /out/spigot ディレクトリ配下を、権限そのままで、ごっそりコピー。

ちなみに apt コマンド等は Ubuntu 20.x.x の場合。
CentOS や Windows など、各自のOS環境や権限、ディレクトリ構成などによって、手順やコマンドや手順は異なる。
そのあたり、各自で適宜調べて実施する必要あり。

次にパッケージインデックスを更新。

$ sudo apt update

ついでに、他のアップグレードがある場合、必要に応じて更新。

$ sudo apt upgrade

自分の場合、最も環境変化の影響の少ないアップグレードをしている。(余計な機能は追加しない。)

本題に戻り、OpenJDK 17 をインストール。

$ sudo apt install java-17-openjdk

最後に Java 17 になったか、バージョン確認。

$ java -version

これでjava 17.x.x がバージョン表示されればOK。

次に ビルドツールを最新化。

$ cd spigot
$ rm BuildTools.jar
$ wget https://hub.spigotmc.org/jenkins/job/BuildTools/lastSuccessfulBuild/artifact/target/BuildTools.jar

このビルドツール、頻繁に更新されていて、古い BuildTools.jar だと最新版のビルドができない場合が多い。
なので BuildTools.jar は、常に最新版を使う。

必ず Spigot 公式が提供している jar ファイルをダウンロードして使用すること。
BuildTools.jar をググったりして探すと、野良サーバの jar ファイルがヒットすることがある。これがセキュリティ上とても危険。
必ず公式サイトからダウンロードしているか、URLを確認すること。

そしてビルド。

$ java -jar BuildTools.jar --rev 1.18

これによって、Spigot 1.18(Spigot-1.18.jar)がビルドされる。

次に、既存のワールドデータや設定ファイルなどを、1.17.1 ⇒ 1.18 にアップグレードしつつ、spigot サーバを一旦起動。

$ java -jar spigot-1.18.jar --nogui --forceUpgrade

このタイミングで、現時点でのワールドデータやプレイヤーのデータがすべて書き換わる。

ちなみにこのアップグレード作業、ワールドの広さによって、かなり時間がかかる。
もしかしたら半日以上とか、かかるかも。
自分の場合、まだ数百座標単位しか展開していない。
しかしそれでも 15 分ぐらいかかった。

だからといって、上記コマンドを入力したら、絶対に途中で止めず、辛抱強く待つこと。
途中で止めると、ワールドデータが破損する可能性があり、その場合、二度と起動できなくなる可能性すらある。

バージョンによっては、上記アップグレードコマンドにて操作終了後、何もしていないのにメモリ不足などの例外エラーで終了したり、コマンドの入力挙動がモッサりして不安定になることがある。
自分の環境では、1.18.1 アップグレードの際に発生した。
ただ今のところアップグレード時のみ生じている問題で、OSごと再起動し Spigot を通常起動させた状態では安定。
少しゲームプレイしたかぎり、問題も起きていない。むしろ動作が軽くなった気がする。現状様子見。

無事に起動が確認できたら、一旦停止。

> stop

Spigot を終了させる。
そして最後に –forceUpgrade オプションなしの状態で Spigot を再起動。
これで問題なく起動し、ゲームにログインインして普通に操作できれば、アップグレードは無事終了。

以上アップグレードの作業そのものは、特段難しくはない。
しかしながらアップグレード前に、記事冒頭の記載通り、サーバースペックの問題を確認・解決する必要がある。


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