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出版不況

出版社・新聞社の倒産件数、2001年の1.5倍Business Media 誠

厳しいっすね。これは。

出版業界というのは、規模の割には薄利であるのは事実で、生き残っている業界も、
記事・原作→雑誌→単行本→メディアミックス展開
という構図に上手く軌道に乗っいるから「ぎりぎり」やっていける程度。

当然、零細や専門内容の出版だと、雑誌収入やメディアミックス展開なんかできないから、すべて単行本に利益を上積みしなくてはならない。そうなると

高額書籍→インターネットで情報収集

という消費者心理に動くのは当たり前。しかも、高額な書籍の内容を欲するのは、往々にして「あまりお金のない人」だったりする。
情報に利益を確保できない分、情報の流通が加速したという皮肉な結果。

それ以外にも、インターネットに情報が増えたにもかかわらず、情報の品質が大きく低下したのは事実。
出版物であれば、専門家が作っていればその点が担保されるし、情報の水準も確保される。
そして、この点を見極めるための「目」が読者には必要となってくるのではないかと思う。真に必要な情報、正しい情報を獲得するのは益々困難となる。

まぁ、インターネットメディアの加速によって、体力のある出版社はまだしも、専門出版は一溜りもないでしょうな。
それに「生き残った出版社」が正しい出版社とか限らない。利益や利権を貪るだけの出版社かも知れないし、そんな彼らが正しくない情報を流すかもしれない。

でも読者も馬鹿とは限らず、碌でもない出版社は徐々に信頼性を低下させつつある。
今はまだ金ズルで何とか持ちこたえているようだが、読者の信頼を得られない以上、淘汰される日は必ずやってくる。

今はまだ過渡期。いま少し状況推移を見たいと思う。

ちなみに私は「新聞派」。インターネットだけだと自ずと自分に必要な情報を取捨選択しがちだが、新聞には自分に必要のない情報も載っている、そこから新たな知識・興味が生まれる可能性がある。
そう言った点で新聞メディアやテレビのニュース・情報・ドキュメンタリーは必要だと思う。でもバラエティは不要。中には素晴らしい「情報バラエティ」などの番組もあるが、殆どの「情報バラエティ」の場合、「バラエティ」の部分は不要。

逆に「インターネット」は百科事典の代わり。まぁ「質」という点では劣る事も多いが、探す力と取捨選択が上手くできれば、非常に素晴らしい情報源。

ビブロス倒産

  • ビブロス:負債総額20億円で倒産 オタク検定で話題に(毎日新聞)

まぁ頻繁でもないけど、ここんところ中小出版社、特に専門書店向きの(要するに、BLというか、アキバ系というか、「萌え」というか、SSK以外というか、主流でないというか)マンガ雑誌を持っている出版社がトンでしまう事がよくある。

まぁ出版社という単位で見ると、マンガ雑誌は1雑誌に過ぎないので、収益力がどれくらいあるかは知りません。
でもそれら出版社も他の会社と同じで、関連会社とか「副業」とかを持っているところも多い。
それがバブル崩壊時のような大規模ではないにしろ、これが「負の遺産」となってしまい、経営を圧迫していることがあるのではないかと。

いずれにしても、この出版社については、確か以前「大整理」(採算性の低い雑誌の廃刊など)もしたし、何よりもビブロスはこの業界(マンガ業界ではなく、昨今のマンガオタク業界って意味ね)では「老舗」にあたる会社でもある。そんな会社が倒産してしまうのは非常に残念。

しかも今回は会社更生ではなく「破産」による倒産なので、会社の再生はない。
「ファンロード」ような事でもない限り、そのまま雑誌も廃刊となってしまう。
出版社(雑誌単位)の経営が健全であったのであれば、是非とも同業他社の方々の支援があるといいのだが。。。

それに、何はともあれ、出版社の持っている「原稿」だけは、作家に返却されることを切に望みたい。
そして再びいつか読めると「読み手」としてはありがたいわけで。。。

もう一つ気になるのは、関連会社の健全性。
同時倒産していないので、当面の問題はないのかも知れないが、elfics.com とかを運営しているビブロポートさんとか、大丈夫かなぁ

自主規制

  • 自主規制:成人誌にシールで封印 全国のコンビニ、書店(毎日新聞)(記事削除)

業界の方針決定が6月上旬だったことから、シール閉じの機械はまだできておらず、印刷会社では社員総出での作業が続く。

数万冊のバーコード貼りなおしとか、数千冊のページカットとか、返品された数万冊の雑誌→再生紙・付録→産廃ゴミへの分類とか。。。

出版社もそれなりに大変。。。

…同情いたします。