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同人誌

「個人サークル」とは?

「サークル」というのは、もともと趣味や研究をする人の「集まり」を指すので、「個人サークル」というのは、相反する単語を繋げた、ヘンテコな言葉のような気がする。

この「個人サークル」という言葉。おそらく現代の同人誌(業界?)で生まれた言葉ではないかと思う。
もともと同人誌は、同じ趣味・趣向などを持つ者らがグループを設立したり、大学などのクラブ・同好会などの延長線で、集団からサークル活動が生まれ、それが主な流れとして捉えられたため、そこから「サークル」というものが標準的に使われ始めたのではないかと推測される。

もう一つは、この「サークル名」、好きな名前を付けることができるし、しっくりこなかったり、別の活動をするときは別の名前を付けるなど、商業的な意味を持つ「屋号」よりも、もっと自由度が高い。

そして、もともと同人誌活動は、別にグループではなく、個人でも制作・活動できる。
そう言った過程で「個人サークル」という言葉が誕生したのではないか思われる。

とはいえ、同人誌のサークルにおいて、本来の意味であるところのグループとしての「サークル」だろうが、「個人サークル」であろうが、同人誌の「読み手」としては別に変わらないのではないかと。

ちなみに「同人」という単語も、元々、その名の通り、同じ趣味趣向や志を持っている「グループ」を指すところから生まれた言葉だと思う。

ただ現在における同人誌における「同人」は、グループというか、同じ趣味趣向や志を持っている「人達」という、もっと漠然とした繋がりで指しているのではないかと思う。

koki(作家)

COMITIAに出ていた作品で、久々にガツンと来たものがあったので、個人的にプッシュ。

こちらのサークルに参加されている koki さんの作品。
残念ながらこの方の作品は、今回この本1冊しか読んでいません。
しかもこの1冊には前後のストーリーが描かれていないので、正直なところ話の全体像はよくわかりませんでした。

でも、今回この本に収録されている作品は、前後のストーリーがなくても、その内容の「熱さ」がとてもよく伝わるものとなっていました。
まぁ作者が個人的に「好き」なストーリー部分だけを興してできた、いわば「切り抜き」なのかもしれません。
体裁や吹き出しの部分など、絵以外のマンガ・誌としての出来映えについては、かなり「荒さ」もあり、技術的には「まだまだ」なのかも知れません。でも、少なくとも描かれている絵には、とても「チカラ」を感じました。

その最大の要素として、おそらくアナログで描かれているという事。
最近のパソコンのデジタルで作成された作品とは違う「新鮮さ」が出ていて、ちょっと体が震えてしまいました。

最近はデジタル化が進み、ある程度の技術はソフトが補ってくれます。
でも、アナログの部分というのは、マンガを描く人には必要な知識や技術が潜んでいて、たとえデジタルであっても、アナログで培われた知識やの技術を持っているクリエータのほうが、より多彩な表現力などポテンシャルが高いのでは思ってしまいいました。

今後の作品に是非期待したいものです。
こういう人は、とても応援していきたいなぁ、と思います。